今回のテーマは投球障害
今回の記事はこんな人におすすめ!

今回は投球障害について学ぶよ!

前にも同じようなのやったよね?

今回は実際の病名を提示してどんな怪我なのかを理解していくよ
投球障害の大前提
野球選手において
肩関節の病態と症状は、相関するとは限りません。
野球選手に限らずですが、病状は悪いけど痛くない。病状は悪くないのに何故か痛い。ということはよくあります。
僕自身整形外科で働いていますが、レントゲンでは問題ないです。骨は異常ないです。→でも痛いです。みたいな患者さんは多くいます。
また、野球界でも腱板断裂やSLAP損傷がありながらも活躍しているプロ野球選手や社会人野球選手もいます。
”その病態があるからといってそれが投球障害の症状があるとは限らない”
のです。
腱板損傷
腱板損傷では腱板(ローテーターカフ)が傷つくことで機能障害や痛みが生じます。
・腱板(ローテーターカフ)とは?
・棘上筋
・棘下筋
・肩甲下筋
・小円筋
の四つの筋肉を合わせて回旋筋腱板またはローテーターカフと言います。
※画像は肩甲骨を背中側から見たものです。肩甲下筋は腹側にあるため写っていません。
詳しくは別の機会に説明しますが、ローテーターカフは肩の安定性を高める働きをしています。
投球障害による腱板損傷の多くはCockingとAcceleration Phaseで起こります。
その割合は驚くべきことに91%とも言われています。
投球動作の中でCocking、Acceleration Phaseは肩関節(GH内)の中で上腕骨頭が大きく速く回旋するPhaseです。
この時関節面のズレや不安定性があると腱板を挟み込んでしまい腱板損傷へと繋がってしまうのです。
腱板損傷では程度にもよりますが、腕が上がらなくなってしまうこともあります。
肩峰下インピンジメント
インピンジメントとは「衝突」という意味です。
肩峰下インピンジメントでは文字通り肩峰下で衝突が怒ることで痛みや機能障害が生じます。
肩関節挙上時に肩峰下で肩甲骨と上腕骨(腕の骨)がぶつかることでその間にある筋肉や軟部組織を挟み込んでしまい痛みが発生するのです。
肩峰下インピンジメントは投球動作中のCocking Phaseで疼痛が発生することが多いです。
棘上筋による上腕骨頭の引き込みができないことで上腕骨と肩甲骨肩峰下の間に棘上筋や肩峰下滑液包が挟み込まれることが痛みの原因になります。
最悪の場合棘上筋が切れてしまうので注意が必要です。
インターナルインピンジメント
インターナルインピンジメントは関節内で起こる衝突です。
先ほどの肩峰下インピンジメントは関節の外で起きていたのに対してインターナルインピンジメントは関節内で衝突が起きます。
インターナルインピンジメントの多くは棘上筋や棘下筋が肩関節後方の関節唇に接触したり、挟み込まれることで痛みが生じ、MER(Maximum External Rotation)付近で出現することが多くあります。
放置してしまうと棘上筋や棘下筋の腱板損傷につながるので僅かな違和感でも放置は禁物です。
SLAP損傷
上方関節唇損傷(Superior Labrum Anterior and Posterior lesion、以下、SLAP損傷)は野球やバレーボールなどのオーバーヘッドスポーツで上腕二頭筋長頭腱に負荷がかかり、関節唇の付着部が剥がれてしまう状態を指します。
言葉ではよくわかりませんね。
上腕二頭筋は力こぶの筋肉です。この力こぶの筋肉がついているところにストレスがかかり、炎症や痛みにつながるのです。
Little Leagur’s Shoulder
リトルリーガーズショルダーは、投球動作を繰り返すことで成長段階にある骨に引っ張りやねじりのストレスがかかり、上腕骨近位の骨端線が離開する状態のことです。
成長段階にある子供では骨が完全ではなく骨端線(これから大人の骨になるまだ柔らかい部分)が存在します。
繰り返しの投球によって骨端線にストレスが加わり、骨端線が広がってしまうのがリトルリーガーズショルダーです。
リトルリーガーズショルダーの原因は、下半身や体幹の柔軟性が低下した状態で繰り返しボールを投げることです。肩への負担を減らすためにも正しい投球フォームを身につける必要があります。

長くなりましたが、今回は投球障害ってどんなものなの?
と言う疑問にお答えする形で進めてきました。
今後、怪我予防や怪我からの復帰に関しても記事を書く予定ですのでそちらもぜひチェックしてください!
では、また!
復帰の流れについてはこちらからチェック!!
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